新旧映画のレビューを配信します
人を殺せる死神のノートを巡り、月(藤原竜也)とL(松山ケンイチ)の二人の天才が頭脳戦を繰り広げるという、緊張感溢れるストーリーに惹き付けられた。
謀略と殺人が続くシリアスな展開の中、菓子を貪る松山の演技はどこか愛らしく、心が和んだ。
藤原の台詞回しの安定感は抜群。
月が自らの正義観(犯罪者殺戮による平和な新世界の創設)を訴える終盤では、その魅力が殊更光っていた。
また、原作と異なりLが月に勝利するという結末にカタルシスを感じた。
特に映画独自の改編点(月の自白を得る為Lが自ら死を選ぶ)により、大量殺人事件解決に寄せるLの探偵としての覚悟が際立ち、その人物像に血が通っていた。
刑事の父・総一郎(鹿賀丈史)に看取られ、死後も妹や恋人から偲ばれる月に比べると、Lの密やかな最期はやるせない。
相棒・ワタリの写真を傍に置いて安らかに逝けた事がせめてもの救いであろう。
やりきれなさの滲んだ総一郎の背中が、涙を誘った。
死神のCGにも工夫が凝らされ、制作陣の熱意が窺える良作だった。
あの興奮を劇場の大画面でもう一度味わえたらと思う。
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デスノートthe last name(2006年日本)の見所はなんといっても最後、夜神月がキラだと招待を見破られた時でしょう。
Lが引き連れた警察部隊に包囲され、疑いを晴らそうと自分の無実を苦痛の声で叫ぶシーンです。
月役の藤原竜也の切羽詰まったような叫び方が、緊迫した空気を作っていました。
犯罪者を減らすために犯罪者になってしまった月の、後には引けない正義感が濃く現されている場面でした。
また、月の死神だったリュークが月を裏切った時、友達のように接していても死神は死神だということがわかりました。
リュークは月と仲がよかったと思いますが、仲がよかったことと死神が人間の本当の味方になることは別物なのかもしれません。
デスノート事件の操作に最後まで全力で協力したLが行った、月より先にデスノートに自分の名前を書いて時刻を偽った行為は、Lのキラに対する 嫌悪が現されていました。
勝つためには自分を犠牲にしてでも止めなくてはならない相手で、ギリギリの駆け引きでも行動しなくてはならなかったのでしょう。
生半可な気持ちでは月の悪事を辞めさせることはできなかったと思うと、Lの精神力の強さには心底頭が下がります。
Lのようにクールに見えて熱い人が、正義を語るに相応しい人材だと思いました。
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