私は青の炎という日本映画が、原作も含めて大好きなのですが、見るたびに落ち込んだ気分になってしまいます。

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青の炎は観ると悲しくなるけれど、いい映画です

私は青の炎という日本映画が、原作も含めて大好きなのですが、見るたびに落ち込んだ気分になってしまいます。


その理由は、殺人と自殺が大きく関わってくることと、その殺人をおかしたのが高校生の男の子ということです。


現実にも殺人を犯す子どもは大勢います。


しかし、基本は子ども同士のトラブルや親子喧嘩が原因です。


青の炎の主人公「櫛森秀一」は、居候している義父の横暴な態度や嫌がらせから家族を護るために義父を殺害するのです。


高校生の頭で考えられる精一杯の対処が殺人しかなかったのだと思うと辛くなります。


秀一の家族は義父を除けば母と妹という女性ばかりだったので、自分が何とかしなくてはいけないと背負い込んでしまったのでしょう。


その結果、最初は完全犯罪にしようとして犯行に気がついた元同級生の友達も殺してしまいます。


自分のためではなく、自分が捕まったら家族が辛い目に合うことを考慮した結果だと思うのですが、その殺人があまり計画性のないもので、どんどんボロが出てきた追い詰められている姿は見ていられません。


そして最終的に、彼はトラックに自ら突っ込んで自殺するのです。


トラックに突っ込んだのは、自転車(ロードレーサー)に乗っていて不意に事故に合ってしまったと周囲に思わせるためでしょう。


犯人で合ったことと、自殺したことを隠すために事故に偽装したのです。


この自殺も家族を護るための行動だったのでしょう。


彼がトラックに突っ込んだ後、画面が真っ暗になるシーンは事の重さを表すのには十分でした。


主人公の櫛森秀一を演じたのは当時19歳の二宮和也でした。


二宮自身、あどけない顔をしながら心の底に闇を持っているような表情をしたりすることがあったので、哀しい事情を抱えた殺人犯の役はぴったりだと思いました。


演技力もこの頃から素晴らしく、人を引き付ける力がありました。


怒鳴るシーンとか、泣くシーンとかとにかく繊細で儚げで、虚しいほどに魅力的でした。


彼の演技の上手さには、彼が台本をボロボロになるまで読み込んだり逆さに持ったりする努力もあるのだと思います。


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