新旧映画のレビューを配信します
北野武監督作品。
アウトレイジ。
もともとヤクザ映画が好きなわけではなく、どちらかというと穏やかなのんびりした、日常に近い映画が好きなのですが、この映画が観たら一気に引き込まれ、とにかく面白くてすぐにDVDを購入し、寝る前毎晩観ていました。
北野映画としても私は初めてだったアウトレイジ。
きっかけは、好きな俳優さんがたくさん出ていて、映画の宣伝文句には「全員悪者」とあり、特に好きな小日向文世がどのように悪者になっているのか観たい、と思ったことでした。
観た結果一番気に入ったのは、加瀬亮演じるインテリヤクザでした。
他の映画で加瀬亮は何度か観ていて、その度に良いなと思っていたのですが、あまりに色の違う役所にはまってしまっていて、エンドロールを見るまでそれが加瀬亮だとは気付けませんでした。
ストーリーはそう奇想天外なものでもないのですが、各所で出てくる敵対する相手のやっつけ方が凝っていて面白く、そのシーンも直接的ではなく、惨いものもあまりに現実ばなれしていて返って余裕を持って観ていられる感じで、残忍さをウリにしているヤクザ映画とは全く違います。
また、昔のヤクザ映画にありそうな泥臭さや暑苦しさもなく、やたらと凄んだり殴ったりというわけでもなく、常に静かな狂気が根底に流れていて、アンニュイなフランス映画のようでもあります。
今までヤクザ映画や北野映画に興味なかった人にも、是非先入観無しに一度観てほしい映画です。
2010年制作、邦画、アウトレイジ、お勧めです。
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